第5回 桜をシンボルとした復興の語り部(1)

 東日本大震災から9年。犠牲になった全ての人に哀悼の意を表します。被災された全ての人にお見舞いを申し上げます。

 当ニュースルーム「KOHO最前線」(2020.2.26)でレポートしたように、2月26日に「新種の桜『はるか』植樹式」が静岡・南伊豆町で行われました。当社は、植樹場所選定と植樹式への報道関係者の取材誘致で関わりました。


■復興を願い、動き続け、語り続ける安藤さん

 一連の仕事をきっかけに知り合った、下賀茂熱帯植物園の安藤広和さん。彼は、桜をシンボルとした復興の語り部として、間違いなく秀逸です。出会ってからの約8カ月の交流の中で、彼は復興物語の語り部、まさしくストーリーテラーだとつくづく感じました。私たちの業界でいえば、抜きん出た行動力とアイデアを持った、秀逸なPRパーソン、広報マンです。


 安藤さんは行動力の塊です。その熱量、エネルギーたるや、すさまじく、驚くことばかりでした。とにかく自ら動き続けます。しかも速い! 初めて出会った時から、そうでした。知人の紹介で下賀茂熱帯植物園を訪ねたのは、昨年6月24日。はじめは、同園を「fukushimaさくらプロジェクト」の植樹場所としてどうかの相談でした。

 安藤さんは、その場で同園より適している別の候補地を挙げ、(直接の部署ではありませんでしたが)役所の人をすぐに紹介してくれました。そして、何よりも自身の桜植樹活動について、きっかけや経緯、現在までの活動などを熱く語ってくれました。

 この姿勢はその後のさまざまな場面でもぶれません。出会う人たち全てに同じように語り続けました。



南伊豆町役場でのミーティング(2019年8月16日/写真奥左:安藤広和さん、右:筆者)


■南伊豆の洪水被害

 現在、桜で埋め尽くされた青野川沿い。なぜ、こんなにも多くの桜が植樹されたのか。

 ここで、安藤さんの活動を改めて紹介します。

 「東北に河津桜を!! 伊豆から桜プロジェクト」。

 約8年前に南伊豆の有志たちとともにNPO法人化し、同プロジェクトを始めました。毎年、河津桜の苗木を東北、特に福島に植え続け、昨年12月の植樹で650本を数えるに至りました。2015年からは福島県南相馬市小高区で行われている「おだか千本桜プロジェクト」のメンバーと協力しながら、同区に重点的に植樹していると聞いています。同区は震災と原発事故の二重被災地で、復興が進まず苦しんでいる地域だったそうです。


 南伊豆町・青野川沿いの両側には約2kmにわたり、早咲きの河津桜が毎年2月上旬から約1カ月間、咲き誇ります。「みなみの桜と菜の花まつり」と称し、同時に開催される各種イベントもあり、毎年、この時期は観光客で溢れかえるといいます。今年で22回目を迎えましたが、安藤さんと出会うまでは気にも留めず、成り立ちも全く知りませんでした。


 安藤さんがなぜここまで熱心に、福島の復興活動に取り組むのか。小学校低学年での洪水被害の体験があったからです。今に続くストーリーの始まりは、40年以上昔に遡ります。

(次回に続く)

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