伸こう会、公的介護保険適用外の在宅支援サービスを本格展開

■「自宅で最期を迎えたい」をかなえる 

 自宅で最期を迎えたい。国籍や性別を問わず、そう考えている人は少なくないだろう。内閣府の調査でも、高齢者の半数以上がそう回答している。1994年創業の米国ホームインステッド社は、世界14カ国で高齢者の在宅支援サービスを展開する。創業者は、自身の祖母を自宅で介護し看取ったことをきっかけに同サービスを立ち上げた。創業の思いを忘れない、引き継ぐために国を問わず全ての施設には、祖母を描いた絵(写真1)を飾っているという。



(写真1:ホームインステッド社の全ての施設に飾られている創業者の祖母を描いた絵)

 2月27日、東京アメリカンクラブ(東京・港区)の地下2階会議室で、伸こう会株式会社(横浜市、片山ます江社長)の記者発表会が開催された。日本経済新聞、日経ヘルスケア、高齢者住宅新聞など、経済紙から専門誌、業界紙まで10人を超える報道陣が集まった。米国ホームインステッド社とマスター・フランチャイズ(FC)契約を締結し、公的介護保険適用外の在宅支援サービスを3月から本格展開する。

 伸こう会は、福祉施設を対象にした経営指導や研修事業を営んでいる。社会福祉法人伸こう福祉会(横浜市、足立聖子理事長)を中心とする伸こう会グループの一員だ。伸こう福祉会は、神奈川県内で50の高齢者介護・保育・障がい者支援事業を展開している。足立理事長がホームインステッド・ジャパンの代表を務める。

 記者発表会は、片山社長のあいさつから始まった。「私は今まで自分が必要と思う事業に取り組んできた。保育事業、老人ホーム、そして今回の在宅支援もそうだ。これが私の最後の事業になるだろう」。静かな語り口の中にも強い覚悟がうかがえた。今回のサービスを一言でいえば、「『自宅で最期を迎えたい』をかなえる」ということだ。

 当社が伸こう福祉会の広報支援に関わってから約8年。伸こう会グループの創業者である片山社長の姿勢はぶれていない。

■神奈川・湘南地域を皮切りに、2年後には全国にFC展開

 片山社長に続き、足立代表からホームインステッド社の紹介と日本での事業展開について説明があった(写真2)。特徴は、仕事内容ではなく、人間関係を基盤にした介護サービスを提供することだ。公的介護保険適用の訪問介護サービスではできなかったことを、24時間365日、問い合わせから60分以内に対応するという。米国ホームインステッド社の在宅ケアの研修プログラムと伸こう会の35年間で培ったノウハウを統合させる。

 当初は神奈川・湘南地域を皮切りに直営で、2年後をめどに全国でFC展開する。人口100万人以上の政令指定都市から全国の都道府県でパートナーと共に事業を進めていく。


 (写真2:ホームインステッド・ジャパンの事業について説明する足立代表)

 最後に、新型コロナウイルス対策で来日を見合わせた米国ホームインステッド社の最高経営責任者であるジェフ・ヒューバー氏からのビデオメッセージが会場に映し出された。

 質疑応答の時間では、人材確保の状況などに関する質問があった。介護経験者である必要はないのだが、経験者を含め予想以上に応募があるという。価格帯は1時間6000円(税別)と比較的高額だが、介護離職の問題などから需要はあるだろう。

 広報支援を通じて、今後も伸こう会グループの事業に注目したい。

荒木 洋二

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